リメディアル教育

 そろそろ来年度向けのシラバスを書かねばならない。

 今年私は、ゼミと英米文学の概論を除いては、英文科1・2年生向けの英語の授業を主に担当した。来年はもう少し専門の授業を、という声もあったが、固辞して(だって、新たな専門の授業を持つのはしんどいので)、来年も英語の授業を主体にした。

 その英語の授業は、リーディングとライティングの授業ということになっているが、本学科の1・2年生が必修で受ける、週2回の授業なので、実質一番重要な英語の授業という位置づけである。

 今年はテキストを一応一冊決め、それはネチネチと訳読していった。同時に、基礎的な文法事項の解説を頭から、自作の教材で行い、それを元に作文の宿題(これも自作)を出す。毎回前回の復習テストを行い、宿題を提出。時々授業中に速読の問題をやらせ、その話題を元に短いエッセイを書かせたりもする。盛りだくさん。添削だけでも、ひとつの授業につき1〜2時間はかかる。

 テキストの選定など反省点はあるが、一回の授業を細切れにするという手法は板に付いてきた。つまり、90分訳読を続けるということは断じて避け、<復習テスト・前回のテストと宿題の解説・文法の説明・訳読・速読>というふうに、毎回セッションを区切って授業をする。これで、退屈させないようにする。

 来年度に向けては、より基礎的な文法事項などを、より体系的にたたき込めるような年間のプログラムを組みたい。一言で言って、「リメディアル」的な授業が必要なので。中学生や高校生が習っているはずのこと、これを学生たちは「知らない」という前提で臨む必要がある。

 その点、教材をいろいろと眺めていると、高校向けの教材は良くできている。それに比べて、大学向けの教科書の貧弱なことと言ったら。結局、軸になるテキスト以外は自作を続けるしかないだろう。

 ちなみに、大学教科書出版社も、リメディアル教育の必要性にはさすがに敏感に気づいているようで、「文法」という言葉を書名に掲げ、文型とか品詞からさらうような教材を新たに出してきている。ちょいと付け焼き刃的な感じのするものが多いけれども。

 さて、添削、添削っと……