あの頃は良かった〜国鉄編

 昨日は「一歳六ヶ月検診」。けっこう時間がかかった上に、私自身の風邪が微妙に悪化してぐったり。検診では、これまでの検査に加えて、積み木を積めるかとか、絵を見せて「わんわんはどれ?」とか、あとは歯の検診など。積み木はこれまで姉ちゃんの得意技で、妹は「崩す専門」だったのに、本番で妹はこともなげに積んでみせる。そうやって、本番だけおいしく持っていく人生、ツケがまわってくるぞよ。

 で、ぐったりで難しい本などは早々に切り上げ、これを。

 2001年。ケン・ローチ監督。国鉄残酷物語。

 英国鉄道が国営だった時代の労働者たちの、有機体的な労働の風景から、民営化、そして疎外。労働者たちが、長い目で見れば絶対に不利な派遣業務を自ら選択してしまう姿を、「おおい、そっちに行ったら危ないぞ!」と心の中で叫びながら観ていたら、予想通りに危ない方に行って悲劇的な結末に。

 名台詞。

 (一人でチェスをしている組合活動家ジェリーに女性事務員が)
 「どうなった?」
 「チェックメイトだ」
 「チェックメイトってなに?」
 「どっちに駒を進めても負けだってことだよ」

 この映画で描かれる社会はほぼ現在の日本にもあてはまる。これから先、これまでになかったような、元公共事業の領域での事故が多発するだろう。確実に。新幹線の「無事故神話」も時間の問題だろうし、橋が突然落ちるなどということも、遠い国の出来事ではなくなるだろう。