フォークナア

フォークナー (第5号(2003))

フォークナー (第5号(2003))

 突然ですが、上記雑誌『フォークナー』所収、村山淳彦「フォークナーとフォークロア」。土曜の打ち合わせでコピーをもらったので。

 1930年代アメリカ。ニューディール政策下で、失業した文筆家救済の事業として「連邦作家計画」なるものが行われた話。具体的には、失業した作家を雇ってフォークロア採集を行わせた。それがいわゆるフォークロアだけではなく労働者階級の生活実態を記述するオーラルヒストリーへと展開していく。同時代にフォークロア(的なもの)に依拠しようとしたのは政府だけではなく、左翼(人民戦線)と文化産業もよってたかってフォークロアへ傾倒したというあたり、イギリスと平行していて面白い。

 連邦作家計画の仕掛け人、ベンジャミン・ボトキンが要チェック人物である。以上、備忘録。