『トトロ』の彼岸

 やばい。無理。卒論指導。でも学生たちも「無理」と思いながらやっているのだろう。がんばってくれたまえ。

もっけ(6) (アフタヌーンKC)

もっけ(6) (アフタヌーンKC)

 大展開。これまで、『となりのトトロ』的世界(母親不在の姉妹が見えないものを見る)だったのが、姉は高校進学で去り、妹は中学という「社会」へ。これは予想しなかった(永遠に続く幼年時代かと思っていた)。でも、「よくやった」と拍手を送りたい。この作品は、物の怪という非常に「人間的」存在との関わり合いと葛藤を通した成長物語なのだから、成長せねばならないのである。「昨日とちょっとだけ違う自分」などというぬるいものではなく、「成長」がともなう残酷さ、現実を描かねばならないのだ。この調子で二人がおばあちゃんになるまで描いて欲しい。それはともかく、姉妹と祖父という完成された閉鎖空間をあえて破るのはかなりの挑戦だったに違いないが、成功している。

 髑髏お化けの回に感銘。みごとな「転移とその切断」の物語(髑髏の「ハアハア」はともかくとして)。そして最後の祖母の死。第一巻以来の出色の一巻となってます。