壊れた機械で遊ぶ子供

Sensuous

Sensuous

 強烈な音圧と立体音響で構成されているわけですが、個々の音は「壊れた機械の音」*1という印象。いちいち、音を出している機械(楽器も含め)の存在を意識させられる。電子音もものすごく古くさい音(マニュエル・ゲッチングだとか、ウェンディ・カルロスを想起したりする)を、単に古くさくなる直前の紙一重のところで使っていて、しかしその紙一重っぷりがユーモアとなっているのは相変わらず。

 Flipper's Guitarとその直後の「ポップ」路線からの「変節」を言う人もいるが、その「ポップ」路線自体冗談のようなものだったのだから(あれは、そもそも笑わずには聴けないだろう)、私にはごく一貫した流れに思える。

*1:なぜこのフレーズが出てきたのか考えてみて、おそらく音の身体性というか、物質性を「壊れた機械」と表現したのかもしれないと思い至る。