ある決意

 大学業界でのメールのやりとりをする際、この時期には「いよいよ夏休みですね」とか「前期の疲れをひとまずは取ってください」とかいう時候のあいさつを書くのには、少し躊躇が必要だろう。私のように「カチン」と来る境遇の人が増えているだろうから。

 というわけでオープンキャンパス一日目が終了。N○Kが取材に来てたぞ。

 ここのところモヤモヤと考えていることを、ひとつの決意として書き留めておきたい。

 それは「専門を教えよう」ということ。

 専任となって三年目。一年目は当然気負って専門を教えようとしたが、早くも、専門以前のリテラシー教育をしなきゃどうしようもないという結論に飛びつき、二・三年目はリーディングや文法をそれこそ予備校的にたたき込むことに専念したし、ゼミも「翻訳」(という名の英文解釈教室)を看板にした。

 それに、早くも、疲れた(飽きっぽい奴め、というなかれ)。

 自分で言うのもなんだが、「リテラシー教育を」というのはくそ真面目な選択であり、リーディングの授業でも毎回2・3種類の小テストや課題の添削をやるなど、我ながら本当に真面目に取り組んできたのである。その成果(うちの大学の場合とりあえずTOEICで見るしかないが)も、かなりのものだと自負している。

 しかし、要因はいろいろあるが、ちょっと倦んできた。

 とはいえ、今持っている科目をパッと変えるわけにもいかないので、とりあえずゼミの内容を一新しようと思う。もう、ゴリゴリに、批評理論でもやるか。壊滅的になる可能性もあるが、それから逃げちゃいかんな、と。壊滅を甘受するというわけではなく、壊滅しないような工夫をしようという意味で。